【動画】同じ音が2つ鳴るとうるささは何倍?
認定補聴器技能者試験の過去問から学ぶ「音の基本性質」:「音圧レベル」の補足編
前回の動画に続き、今回も「音圧レベル」の少し深いお話をお届けします。今回は、補聴器技能者試験の過去問でもよく見かける「実務的な応用問題」をヒントに、音の不思議を解き明かしていきましょう。
例えば、「60デシベル(dB)の音が鳴る機械」が1台あるとします。そこへ全く同じ機械をもう1台持ってきて、2台同時に鳴らした場合、聞こえる音は何デシベルになると思いますか?「単純に2倍だから120デシベル?」あるいは前回の話を応用して「音圧が2倍になるから66デシベル?」と迷ってしまうかもしれませんね。
正解は、なんと「63デシベル」です。増えるのはたったの3デシベルだけなのです。2台に増えたことで、私たちの耳に届く「音のエネルギー」は確かに2倍になりますが、前述の通りデシベルは対数という仕組みで数字を小さく圧縮しているため、エネルギーの2倍は「プラス3デシベル」と連動するルールになっているのです。
もうひとつ、試験でよく狙われるのが「距離」の問題です。音の鳴っている場所から、自分のいる位置までの距離を「2倍」に伸ばした場合、音の大きさ(デシベル)はどうなるでしょうか?
一般的な点(一箇所)から四方八方に広がる音(点音源)の場合、距離が2倍になると、音が立体的な球面として広がっていくため、耳に届く音のエネルギーは4分の1にまで薄まってしまいます。エネルギーが4分の1に減るということは、計算上「マイナス6デシベル」となり、60デシベルだった音は54デシベルまで下がります。
ただし、学校の教室などで使われる特殊な細長いスピーカー(線音源)のように、音が縦に広がらず横にだけ筒状に広がる仕組み(ロジャーのデジマスターなど)では、距離が2倍になってもエネルギーは2分の1にしか減りません。この場合は「マイナス3デシベル」(60デシベルから57デシベルへの減衰)に抑えられます。こういった音の性質の違いをうまく利用して、聞こえをサポートする機器は作られているのですね。
































