この動画では、「人の声はどのような周波数帯で構成されているのか」について、補聴器の調整と関係づけながら説明しています。以下に、その主な内容をまとめます。
■ 人の声の基本周波数
- 男性の声はおよそ85〜180Hz、女性の声は165〜255Hzとされています。
- これは「声帯がどれくらいの速さで振動するか」によって決まる音の高さです。
■ 倍音と声の個性
- 声は基本の音(基本周波数)だけでなく、その倍の周波数=倍音が含まれています。
- この倍音があることで、声の厚みや個人の特徴が表れます。
■ フォルマントと母音の聞き分け
- 声は口や喉で響くことで、特定の周波数帯が強調されます。これをフォルマントと呼びます。
- 母音(あ・い・う・え・お)は、それぞれ異なるフォルマントの位置を持っています。
- おおむね300〜2000Hzの範囲に分布しています。
■ 補聴器と周波数の関係
- 補聴器の調整では、500〜2000Hzの周波数帯が特に重要視されます。
- この帯域は母音の聞き取りや言葉の明瞭度に関わるためです。
- 低域(300Hz以下)は声のボリューム感や自然さに関与しますが、雑音も多いため注意が必要です。
- 高域(2000Hz以上)は子音、特に「サ行」「カ行」などの識別に関わります。
■ 女性の声が聞き取りづらい理由
- 「高音が聞こえにくい=女性の声が聞き取りづらい」という考えには一部誤解があります。
- 実際には話し方や発音の明瞭さ、環境音など、さまざまな要因が影響しています。
■ 全体のまとめ
人の声は、幅広い周波数帯で成り立っており、補聴器の調整では「どの帯域を重視するか」が非常に重要です。
特定の帯域だけを強調するのではなく、聞こえのバランスや目的に応じた調整が求められます。